「純情ロマンチカ」 第12話 「袖すり合うも他生の縁」感想
さて、純情ロマンチカ12話。一期最終回です。
ミニマム&テロリスト回を挟んで物凄い間が空いたので、物凄く久しぶりにウサギさん&美咲を見たような気になりました…いちおう9話ラストに美咲いるんだけどね。
まず前半。
ウサギさんがタカヒロにーちゃんを説得するくだりは、ぶっちゃけ聞いていても何を言っているのか理解できませんでした。つーかさー、あんなにウサギさん信用しちゃってさー、もしウサギさんが自分の知らないところで弟と出来ちゃってるのをタカヒロ兄が知ったらめっさ怒ると思うんだー。
ついでに一緒に言ってしまうと、受賞記念のお祝いに何をあげようか?と悩んでいる美咲は、残暑で頭がウニになってるとしか思えません。なんじゃありゃ。自分で自分に鳥肌が立つ前にまずその発想が頭に浮かぶところから反省した方が良いと思います。
さて、タカヒロ兄を説得する話が一瞬で終わったところで、ウサギさん受賞話です。
ウサギさんの菊川賞受賞。美咲はこれを、角先輩に教えて貰う。
二期先に見ちゃったからあくまで後付けなんですけど、この話の角先輩を見ていると、先輩は最初からウサギさん目当てで美咲に近づいたように見えますね。真の理由がどこにあるかはともかく、そうだと思う。
そして美咲が家に帰ると相川さんや井坂さんが居て、ウサギさんが記者会見に赴くところです。美咲はここで初めて、ウサギさんがなんの本でノミネートされていたのかを知り、そして、その本をまったく読んでいなかったことをウサギさんたちに知られる。
美咲の凄いところは、自分はBLしか読んでないくせに「ウサギさんは小説を書く以外何も出来ない」と言い放つところだと思います。つまりこの世でウサギさんの創作活動をもっとも過小評価しているのはある意味美咲なのですよ。
でも逆に言うと、創作活動もそれに関わる経済活動も資産も、そんなものは美咲の前ではなんら価値がなく、彼はただ、そこに住んでいるウサギさんという存在だけを見て、駄目なところを駄目だとはっきり言い、だけどその駄目なウサギさんを好きなわけです。相手の才能の価値をまったく理解しないからこそ、相手の存在そのものを最大限に受け入れている。そこが非常に面白いところだなあと思いました。
二期一話もこの後AT-Xで見ましたが、ウサギさんの小説をバカにするウサギ兄に対して美咲が啖呵切る内容がおもしろいんですよね。
ウサギ兄はウサギさんの小説がくだらないと切って捨てるんですが、美咲の反論は「そんなことはない、ウサギさんの小説を読んだけど面白かった」じゃないんですよ。ウサギさんが小説を書くのにどんなに苦労しているか知らないのに勝手に決めつけるな、と美咲は言うのです。
これは凄いです。
ウサギさんの本を(基本的に)読まない美咲が、「小説がくだらない」と言われて、「ウサギさんは小説を書く裏でこんなに苦労している、それを知らないのにくだらないなんて言うな」と反論するのですよ。きわめてクリアな論理立てで、美咲の言動には前後の矛盾がありません。
ロマンチカの文脈というのは一から十まで突飛で意味が分からないのに、美咲がウサギ兄に切った啖呵は極めて論理的です。凄いよ!ロマンチカとは思えない!
って、これどんな感想だ。
いや、でもなんか感動しちゃったんだ。ロマンチカなのに筋が通ってるなんて…!(どこまで失礼なんだ)
まーそんなわけで一生懸命(でもないが)見てきたわけですが、ロマンチカのアニメは非常によく出来ていて素晴らしい!と思います。原作を非常に良く消化していて、オリジナルエピソードも良いし、小ネタでの遊びも上手い。
もう無理だとは思いますがヒロさんの篠田話とテロリスト編の忍の進路話も見たかったなー。二期はロマンチカをメインにしてある程度のところで話を纏めるためにああいう構成だったと思いますが、他ももうちょっと見たかったです。
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