八日目の蝉
読売新聞に連載中の「八日目の蝉」を読んでます。
いや、読んでましたというべきですね。うちは読売ではないのですが、里帰りしていた実家が読売新聞だったのです。
どういう話かと言いますと、不倫して中絶して既婚男性に捨てられたOLが既婚男性のうちをストーカーし、家の鍵があいていて、赤ちゃん(生後6ヶ月)が寝ているのを見て盗んでしまい転々と逃亡しながら子供を育てる。という話です。
赤ちゃんは女の子なのですが、彼女は不倫して中絶した自分の子どもにつけようと思っていた「薫」という名前をその子につけて、自分の子供として育てる。
逃亡生活を続ける彼女は薫を連れエンジェルホームという宗教施設に隠れ住んだり、一時ラブホテルの寮に住んだりするのですが、友人の母のもとに身を寄せるんですが、地元のお祭りで撮られた写真がコンテストに入賞し全国紙に掲載されたことでとうとう逮捕。盗まれた赤ちゃんは3歳になっておりました。
で、いま、「誘拐犯に育てられた子供」である薫(本名はえりなちゃん。漢字なんだっけ)は成人し、彼女の物語になっております。
生後6ヶ月の赤ちゃんを連れ去るなどとゆー話を読んでるのもアレですが(笑)ほら、お話と割り切って。これは実家の母が面白いと勧めてくれたので、最初の流れは母に聞いたものです。私はエンジェルホームを出てからくらいから読んでいる新参者なので。
薫を育てる主人公の女(キワコさん)、当然薫の保険証も母子手帳もありません。3歳まではエンジェルホームという施設にお医者さんがいたのですが、エンジェルホームに警察が入るとの知らせで施設を逃亡してからは外界のお医者さんにかからねばならない…つうことで薫が熱を出して吐いたりするわけです。しかし保険証がない。のでお医者さんに嘘ついて、旅行先なので保険証がないんですと言って余分にお金払って薬をもらって、「なんとかなった」と安堵します。ここで「あれ?」と思ったのですが、子供が病気して薬もらって「(旅行だから保険証がないと)ごまかせた、なんとかなった」と安心するのであって、薫が早くよくなりますように、とか、そういう心理描写がないんですね。これってわざとそう描いてるのでしょうか。ちょっとギモンでした。
ところで薫(じゃないが)の両親というか父親。自分の奥さんが妊娠してる時に愛人作って子供中絶させて捨てたんだよね…なんつうか最悪だなそれ…
現在えりなちゃん視点でお話が進んでいるようなのですが、えりなちゃんの母(つまり自分が長女を妊娠中に旦那に不倫されたほう)はヒステリックに描かれております。そりゃ、ヒステリックにもなるよって状況なんですが、えりなちゃんは母親にちょっと手厳しい。んだけどえりなちゃんは母親について語っても、そもそもの原因をつくった父親については語らなげなんですな。こういうえりなちゃんの心理状態についてはこれから明らかになっていくのでしょうが、語られる部分よりも、描写がない部分について気になる小説です。
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