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「江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた」

連休中に出かけて、電車の中でコレを読みました。
つまりは、明治時代というのは「江戸時代を懐かしむのは御法度」という状況で、世代が断絶し、江戸時代を肌で感じていない世代が大正時代になって江戸ものを創作し始めたため、その後創作された江戸ものは真実の江戸時代を反映していない、みたいなのがタイトルの内容です。
ので、ホントはこんなだったよ!という江戸時代のネタがたくさん出てくる本です。大奥の真実なんていうのは、守秘義務があるからなかなか表には出てこないらしい。それを資料から「実はこうだった」みたいなのはとても面白かったです。

あと、商家というのは婿養子前提であると。時代もので良く「バカ旦那」というのが出てきますが、実際にはバカ旦那では身代が危うくなる上に、商家の組合ぜんたいに迷惑をかけるので、商家を継ぐのは婿養子であったそうです。経営者として良さそうなのを選んで娘の婿にするわけですね。江戸時代だって実子になんか継がせないのに、現代は実子に継がせるなんて江戸時代の方が進んでますよ!というのには笑ってしまいました。
そうだ、新しい時代劇のジャンルとして商家で成功する主人公の物語を!ってそれもリーマンの出世物みたいな切り口ですが。

大学の時の日本史の講義で、殉死というのは現代人とは違うメンタルで行われるのであって、森鴎外が殉死について書いてるんだけど、あれは実際とは違っていて当時の発想としてはこうだ、みたいな話を聞いたことがあり、この本を読んでそれを思い出しました。
さらに連想して今すぐ思いつくのは大河ドラマで、最近のはもう、笑っちゃうくらいに、戦争はいけないと二言目には口をついて出る。それが時代を問わず、戦国大名だろうが、鎌倉武士だろうが言っている。そこは?とずっと思っていたんですが、作り手がその時訴えたいテーマを「時代物」を使って表現するというのは、昔からあることではあるんですかね。まあ、今どきの「戦争イクナイ!」みたいなのはちょっとやりすぎだと思いますがね。あれはもう、その人や出来事を訴えたいわけではなく、最初にやりたいことが決まっててネタを当てはめてるだけに見えますからね。

って、なんか話がズレました。

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