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風と雲と虹と・完走しました

な、長かった。ようやく完走しました。感想も長いよ!
というか「時専の毎日放映大河(本放送未見分)を完走する」というのは結構ハードル高いだろうと思っていたのですが、不可能でないことが分かりました。今度またチャレンジしよう。でも、リピートも終わってもう放送しなさげなやつも多いんだよなあ。素直にDVDをレンタルすればいいんですけどね。

でもって、非常に面白かったです。こんな知らない時代見て訳わかんないんじゃね?という当初の不安はあっという間にかき消えて物語にのめりこんでしまいました。

最終的に小次郎はどこで踏みとどまればよかったのかなあと考えたんですが、どこでしょうねえ。結局、どこというのはあまりないような気がするんですよ。
決定打になったのは鹿島兄弟を庇ったとこですが、あれはもう、しょうがないと思うんですよ。
鹿島兄弟のやったことがなんであろうと、それが犯罪クラスだろうと、一門の戦いの時にあれだけ世話になっておいて、今更鹿島兄弟を切って役人に引き渡すことが出来るわけがない。もしあそこで鹿島兄弟を引き渡していれば、という仮定は成り立たないんじゃないかと思います。

じゃあどうすればよかったのか?
足立の一件の仲裁に行かなければ良かったのか。
そのあと興世王なんか館に入れなきゃよかったんじゃないか。
だって都にいた時はっきり(ナレーションで)言ってたじゃないですか。小次郎はこの男を好きになれなかったって。でも将門は彼を頼ってきたものを追い返すことはしない。

だけど結局、どこで止まることが出来るのかというのはあまり思いつきません。
公の土地から逃亡した農民(って言わないと思うんだけどゴメン)をかくまっているあたり(そして藤太は彼らをたたき出している)結局鹿島兄弟がなにかしなくても決定的な事件が他に起こったんじゃないかと思います。

ただ、どうしても原因を個人に求めたくなることもありまして、「そもそもこれ、純友の殿が鹿島兄弟に穀物倉襲撃を命じたりしなければいいんじゃ!」とか、「興世王なんか入れるなよアンタ嫌いだったじゃん!」とか、そういうことは思います(笑)

…で、小次郎将門は叛逆の道を突き進み、あっさり斃されてしまう。
あまりにも早かった。え、昨日まで、てか今の今まで、負けて死にそうなんて、そんな感じまったくしなかったのに。
でも、あまりにも早かったおかげで、悲劇の道をじわじわと…みたいな悲壮感はなかったですね。小次郎を戦場で斃したあの一陣の烈風のように、すべてはあっというまに終わってしまいました。

ところで、わたしがこのお話で一番好きなのは太郎貞盛なんですよ。太郎ちゃんは非常にいいキャラです。一見人当たりがよさそうなのに心の底が冷え切った男です。この見た目と中身の乖離が素晴らしい。
平気な顔して小次郎を傷つけ追いつめておいて、結果小次郎が心底追いつめられて爆発してしまったあと、いきなり詫びて仲直りするあたりなんかもう最高です。太郎ちゃん冷たいよね~としみじみ思っていたら村岡のおじさんがちゃんとそう突っ込んでくれたので嬉しくなりました。
そんでもって仲直りしたけどやっぱり流されて小次郎を裏切る。(「折れた矢」)でもって太郎は言う。「許せ、小次郎」と。
結局それなのかよ!あんた結局いつもそれじゃないか!と心の底から思いました。
許せ小次郎、で許してもらえると思ってるでしょー。

その太郎が最終盤いきなり悟り切っちゃって「小次郎はもっと後の時代に生まれれば良かった、いや、もっと大昔に生まれれば良かった」とか言い出すわけですが、なにがあったんだ太郎。

なにがあったのかわかりませんが、とにもかくにも、その太郎の意思が田原藤太を動かす。
小次郎にかつての自分を見て、小次郎の将来に暗いものを感じながらも彼を殺したくない。そんな藤太を後押ししたのが、太郎の言葉です。私も同じように小次郎が好きだ、と。
太郎はここに至って、小次郎を殺す道をほんとうに選ぶ。
さんざん逃げ回って、周囲に向かって「どうだ、小次郎は強いだろう」なんて呟いていた彼が、いったいなにを考えてあの境地にたどり着いたのか、なかなか興味深い話です。

太郎は心が冷え切った男だから、対照的に暖かくて熱くてまっすぐな小次郎を好きなのがとてもよくわかります。そして一方でその小次郎を傷つけずにいられないのもよくわかる。太郎自身もそのことが分かっているんですよね。

都になじめない小次郎、あっという間に出世する太郎…というような事象として顕れるよりももっと根源的なところで太郎と小次郎は真逆の場所に立っています。本当に面白いキャラだなあ。

おう、いきなり太郎ちゃんトークに。
キャラ別で下書きしたヤツがいっぱいあるんですが、順次感想文を載せていこうと思います。帰省しちゃうのであとになりますが。

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