おまえそんなにいっぺんに書いてどうするんだという。
いや、書いて保存してあったんですけど。
秋は「14才の母」を見ておりました。いまは同じ枠の「ハケンの品格」を見ているわけですが。ハケン~は春子のスーパーハケンぶりを見せる前フリがあまりにもアホっぽいのでどうよとも思ったんですが小松政夫がイイ味を出しているじゃないですか見ようよ見ようよ!と思っていたら、今日の回で小松政夫フューチャー。なんてこと!
って、「14才の母」に戻して。
いっぱいドラマサイトの感想を探して読んだのでとても今更なのですが、いちおう記録的に。
とりあえず、何故あんなにも産みたいのかさっぱり分かりませんでした。
いや、「会いたいから」って言ってたけどさ。いちおう。あれが理由らしいんだけど。
つーか3話の中絶手術する・しないで未希としては「やっぱり産めるわけがない」と自分でも分かってるんですよね。子供を産みたい、でも産めないだろう、と。それはやっぱり、育てることがいかに大変であるかとか、経済的な状況とか、彼氏がどう思ってるかとか、いろいろあるから、産めないのは分かってるけど産みたい、ということだと想像していたわけです。
なんだけど未希は母の語りを聞いて産みたいと決意してしまう。そしてその後、「産んでどうするのか」「お金はどうするのか」「経済的な問題」というのは、完全に彼女の中でスルーされてしまっています。これはおかしい。じゃあなんで、3話で「やっぱり産めないよね」って思うのか。いや、困難だけど頑張ります、って思い直したのかもしれないけど、やっぱりおかしい。後半で母親学級に行って助産師に「子供を産んだらお金を稼がないとね」と気づかされるまで、未希は全くそのことに思い至らないのです。これは非常におかしい。そして何よりおかしいのは、こんな一番大事なことを中絶可能な時期が過ぎてから持ち出す物語のプロットそのものです。
親に援助してもらって子供を産むことはそれぞれの家庭で決めることですが、未希は「援助してください」とすら口にしない。これは傲慢かバカのどっちかです。そんな傲慢でバカなヒロインは、申し訳ないが応援する気にはなれない。
あと、未希ちゃんは有り体に言って口だけ娘ですね。
最終回は非常に痛い子でした。
赤ちゃんが死んじゃうかも!なんて、悪いけど母親が口にするものなのか。そういうことは、一番口に出したくない台詞じゃないかな。
しかも、実際赤ちゃんの容態が大変になった時にはキリちゃんとお外でラブトーク。ふざけるな。それで「わたし14才だけどこの子の母です」って、素晴らしく口だけ偉そうな態度です。なんじゃこりゃ。
とどめはあれですね。「そら(娘)は誰にも望まれなかった、私にも」
開いた口がふさがらないとはこのことですよ。最悪。これで「わたし14だけどこの子の母です」と言われても、はあそうでっか、という感じです。
と、まあ未希についてはなんだかなーだったのですが、お話の作り方もアレでしたねえ。4話冒頭未希がバイクと接触事故を起こすあたりから顕著なんですが、この話の作り方は「盛り上げるために盛り上げる」というヤツです。
CM前に興味を引きつけて「どうなるよ」と思わせるためにバイク事故を入れる。それを予告にも投入する。初回の万引きも、全然後につながらないんですよね。「妊娠検査薬も買えないのに子供を産んでどうする」と、見ている人は思ってしまうのに、経済問題は美しくスルー。個人的には万引きが学校にバレるくらいでもよかったんじゃないかなーと手厳しい展開を見たかった。
最後、誰も文句を言えない「赤ちゃんは、未希は無事か?」で最終三話引き延ばしのようにひっぱり、予告で「赤ちゃんの死」(らしきイメージ)をちょこちょこちらつかせ、というのもなんか…最終回の1回前、未希が赤ちゃんに会ったところで終わった方がきれいだったのにな~と思いました。
とかなんとかさんざんダメダメじゃんと言いまくって来ましたが、そうは言いつつこのドラマ、「両親がどんなに子供を愛しているか」というメッセージは非常に強固なものがあり、伝わってくるものがありました。これを見ている子供世代のひとたちが、親はどんなに子供を愛しているか、心強く思ってくれればいいなあと思います。
最終回の未希の「望まれなかった命でも頑張って生きている」もその延長だと思うんですよ。君はこんなに愛されている、というメッセージと共に、もし、そうでないと思ってしまうような人がいるとしても、生きているということはこんなにすごいことなんだ、と伝えたいのだと思います。
まーそれは分かってるんだけど未希が「私にもそらは望まれなかった」ってーのはなんじゃそりゃ、なんですけど。
あと、未希の14才ぶりが非常にいいですね(いや14才が全部こうだと言っているわけでは…)。これは志田未来ちゃんの演技力が素晴らしいのですが、戸田菜穂さんが演じる妊婦さんとお話した時の演技がとてもいいと思いました。知り合ったばかりのオトナの女性に向かってちょっとタメ口みたいな態度。「わたしオトナなのよ」って感じが、逆に子供の子供らしさが出ていてとても上手い。
未希が最終回で「何もかも失ったと思ったけど」って言うんですけど、あれも14才的「なにもかも」なんですよね。友達と彼氏と学校。かたやきりちゃんのお母さんは家も仕事も財産もすべて失い命まで失おうとしたわけですよ。この「なにもかも」の温度差。
ヘンなところで感心してしまいましたよ。
Recent Comments