篠田節子にはまる。
ドラマコンプレックス「ウイルスパニック2006」で原作の『夏の災厄』を読んでから篠田節子にはまりつつあります。『夏の災厄』と同系統らしいので、『絹の変容』を続けて読みました。
虹色の糸を吐き出すという野生の蚕を飼育して、この糸から美しい絹織物を作りたい。商家の若旦那の抱いた夢を現実のものにしたのが、女性研究者の芳江。彼女は野生の蚕を品種改良する。しかしその蚕がパニックを巻き起こす。
とゆー話ですが、この蚕まわりの描写が大変えぐいです。怖いっつーか、えぐい。あまりリアルに想像しすぎるとイヤアアアアア!な感じです。過剰に感情を喚起するような描写ではなく、どっちかつーと淡々と描いてあるので、よけいシュールなんですねえ。
そんでもって、この話がコワいなあと思うのは、悪いことしようと思ってやってるわけじゃない、というところだと思いました。ただ、自然にあるものを無造作にいじってしまうのですよ。その無造作ないりじっぷり、無自覚さといいましょうか、そういうものが一番怖いなあと思ったわけです。
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