« がんばれ徳重くん | Main | 「食品の裏側」 »

るろうに剣心 追憶編

アニマックスで放映されたもので、「るろうに剣心 追憶編」を見ました。剣心と巴の過去、テレビシリーズで放映されなかった部分をOVAにしたやつですね。はるか昔、一幕だけ借りて見たんですがそのままになっていたので視聴。これ、非常に面白かったです。曖昧にとれる解釈は原作よりもむしろ私はこっちの方が好きかな?つー。

決定的に違うのは、巴さんの剣心への思い。巴が剣心のもとを去る時に原作だと「さようなら、私が愛した二人目のあなた」ですが、アニメの追憶編では「さようなら、私を愛してくれた二人目のあなた」なわけです。こんなところをわざわざ改変するからには、「私(巴)が(剣心を)愛した」というのともちょっと違う方向に持って行きたいスタッフさんの意図が見えるわけです。だって、「私を愛してくれた二人目のあなた」につながる台詞は原作のまま、「この人は私の幸せを奪った人、けれどもうひとつの幸せをくれた人」なわけなので。

で、巴が剣心を愛した故の行動として原作では「巴が剣心の嘘の弱点を教える」というのがあったわけですがそれはさっくり削除。「弱点は」「もう必要ない、おまえが弱点だ」という会話に持って行くあたりも、「巴は剣心を愛してしまった」という点をクリアに見せない方向性なんだなー、と。剣心の十字傷も、OVAでは瀕死の巴が剣心の頬に自ら傷をつけるわけで、偶然ついちゃった原作とは違う。

ちなみに原作では超ワルモノキャラだった闇の武の頭領が「人の業とは」とか語り出すかっこいいオヤジになっていたのがなんかツボでした。

巴が最期に剣心に傷をつけたのは、たぶんいろんな解釈があると思いますが、私個人としては、意図してかそうでないかに関わらず、清里が剣心につけた傷と交差して巴が剣心の頬に傷をつけたことで、清里と巴は再び触れ合い結びあわされたのではないかと。

で、巴は剣心を愛していなかった解釈?と書いてみましたが、別にほんとにそういうわけではないんだと思います(どっちだよ)ただ、そういうところを非常に曖昧にしている演出だなあと。敢えて「私が愛した」を変えることによって曖昧にした部分が逆にリアルでいいなあと思うわけです。でもまあジャンプにそういうものを載せるのもアレですし、アニメのOVAだからこそこーゆー展開なんだと思うんですけど。

アニメスタッフさん、るろ剣のオリジナルはアホな話すぎて目眩がしたことが何度もあったものですが、原作をふくらませたり多少解釈を変えたりするのは秀逸ですな。京都編もかっこよくて好きでしたよ。追憶編では、お堂の中で剣心と闇の武の頭領の戦いを見守っていた巴が清里の亡霊を見るオリジナル展開がいいですなあ。心理描写がまったくないので、巴が清里の亡霊を見てなにを思ったかは見る人の解釈次第なんだけど、そういう曖昧な話はダイスキです。

でも、この展開だと「実は巴さんは剣心を愛していたの!」と縁に日記を見せるという落としどころは通用しないような気がする(笑)

というわけで「るろうに剣心」の追憶編、非常に面白かったのでした。

|

« がんばれ徳重くん | Main | 「食品の裏側」 »

「アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

なるほどなあ、、
とても参考になりました。
深いですね。。。

Posted by: m | September 08, 2012 at 04:42 PM

コメントありがとうございますm(_ _)m
るろうに剣心は映画が公開されましたね。

星霜編は見てないんですが、追憶編のアニメは
とてもいいなと思いました。
私は正直、巴が剣心を好きになっちゃうと言うのは
うそくせーと全く思わないではないと言えば
ウソになりまして(^_^;)、この解釈はどっちにも取れて
ステキだなと思いました。

追憶編はおそらく映画もあるでしょうが、また新たに
素晴らしい作品になるといいなと思っています。

Posted by: | September 08, 2012 at 07:47 PM

映画がきっかけでアニメ、そして追憶編を見ました。
原作は未読なのですが、こちらのご考察を読んでこのOVAの魅力がより深まったように思います。

ただ一つ、巴が最期に剣心に傷をつけたことについて、色んな解釈があるうちの一つとして聞いてほしくなってしまったのですが、
あれは巴の、彼女なりのけじめだったのではないかと感じました。

それは元婚約者への後ろめたさや、最初持っていたであろう剣心への復讐心へのけじめ、また同時に自分を切ってしまった剣心が気に病むのを少しでも緩和しようと、「仕返し」のような行動をとったのかも、と色々考えてしまいました。

解釈は色々あれども、含みがあって情緒深く、いい作品だと感じました。
原作も是非読んでみようと思います!

Posted by: purple | September 14, 2012 at 04:37 AM

コメントありがとうございます。
追憶編はさまざまな解釈が可能で、それが作品の奥行きの深さをあらわしている、とても素晴らしいものであると思います。

私は実際には、自覚的に剣心に点が辛いですね(^_^;)なので、私の解釈が絶対だとは思っておりません。

原作を週刊連載の少年誌で読んで、「え、これ、こうなの?」と思った部分があり、それを追憶編というアニメで別の形になった作品を見て、なるほどこう変えてきたのか!と思って、それがこの感想です。それも、私は剣心を原作で描かれているよりも狡くて矛盾を持ったキャラクターとして捉えておりますので、私の原作の解釈自身も、必ずしも正しいとも思っていません。非常にいじわるに読んでいる部分もあります。

ので多分、佐藤健演じる映画で追憶編を拝見したら「佐藤健になら惚れるよ!」とか安直なことを言い出すような気がします(笑)アホです、すいませんw

こう描いていますが、私は和月先生の原作を否定しているわけではないのです。そこは断じて。長い間読んでいた愛着ある作品ですし、コミックスで先生がコメントしている葛藤が作品に現れて、そこがまたリアルタイムの作品も持つ魅力だと思っていますし、和月先生の原作の力が、メディアミックス展開をした時に様々な作品を生み出せるのだと思っています。

このエントリは日付を見るとそうとう古かったのですが、私自身、昔書いた物を掘り起こしていただいた気分です。拙ブログに感想を書き込んでくださり、ありがとうございます。

るろうに剣心という作品をまた楽しんで下さい!

Posted by: みなみ | September 19, 2012 at 10:00 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38645/10497204

Listed below are links to weblogs that reference るろうに剣心 追憶編:

« がんばれ徳重くん | Main | 「食品の裏側」 »