「友吉、愛に死す」の感想
テレ東の再放送で、友吉が死ぬ回を見ました。この次の回のスペシャルで六さんが死ぬってなんか…レギュラーを入れ替えるという事情はわかりますがだからってばんばん殺すこともあるまいに。
そうは言いつつ、この回、上手いなあと思うんですよ。泣かせるように出来ている。友吉の死に方としては、うまく作ってある話ではあるなあと思いました。キャラがよく出ているよね。正直、見ているこっちとしてはあんな馬鹿女ほっとけよ!と思うわけですが、そんな女を放っておけないのが友吉の優しさ。どう見ても騙されてる状況なのに、友吉の忠告を聞かない幼なじみ。だけど彼女は友吉に自分の幸せを見せつけたくて意地になっていたのだ。しかし彼女が友吉を巻き込んだことで、何も知らないおみつが事件に巻き込まれ、おみつを必死で助けようとした友吉は命を落としてしまう。あそこまで深追いしなければもしかして死なずにすんだかもしれないのに、友吉はおみつへの愛ゆえに簡単にあきらめることなどできなかった。そして、友吉がおみつを連れ去ろうとした悪人どもの首魁と一緒に水に落っこちたことで、その水の滴りが地面に残されていたことで、悪の首魁の居所が知れる。
うん、これ、話としては非常によく出来ているんじゃないでしょうか。泣けるように作ってあります。友吉が可哀想なんだけど、可哀想であるが故に、逆に作劇のうまさに感動してしまいました。だから泣けて可哀想なんだよね。
やっぱ長七郎江戸日記って人を死なせて泣かせる系統の時代劇だよなあ。レギュラーを引っ込める時なんてゆーのはキャラ殺しの絶好の機会なのかもしんない。
でもなんか、人気がありそうなキャラに可哀想な最期を用意しているような気もしなくもないですよ…あざとい作劇やな。
レギュラーが死ぬ時にふいっと気づかされるのが辰の優しさです。なんで死んじゃうの、ねえ?!というように、非常に素直に悲しみを表現してくれる。火野正平ってやっぱ上手いなあ。そして辰ってほんといいヤツなんだなあと思わされます。
1月に時専でやったスペシャルで六さんが死ぬ回でも、今回の再放送で友吉が死ぬ回でも「ああ、辰やさしいなー」と感動したものなのですが、考えてみると本放送時は友吉が死んだ回の次の回(スペシャル版)で六さん死んだんだよな、と。二連続で辰にこのように泣かれるのもせつない。
ときに六さんを長七郎君のおそばから引っ込めようと思ったら、やっぱり花道としては「宗冬様に斬られる」ではないでしょうか(オイ)花道って語弊があるか、なんてゆーか、パワーバランスを考えるとその線かなと。
というのは、六さんはもともと柳生を裏切って長七郎についた身の上。人生の優先順位は間違いなく長七郎君がナンバーワンですから。で、六さんの作中強さステータス(?)を考えると、ほかの人に殺されるというのはちょっと難しいわけなので。柳生サイドに始末されるというのなら斬られる相手は宗冬さまかもしんない。過去柳生の隠密だったものとしては結構見せ場のある最期ではないかと。問題は、スペシャル編で死ぬのが割と脈絡がないことではないかと。宗冬様としては「これ以上長七郎君の手助けをさせるわけにはイカン」なのかもしれんが、それこそ今更ですがな。第二シリーズの途中まで放置プレイで(時々殺そうとしてたようですが)今更なにを思いついたんですか!!
あと、初期に死んじゃった右平次。この人も人生の優先順位で長七郎君がナンバーワンの人です。国元へ帰るとかって帰る国ないような気がするし
。
でも右平次も佐渡で唐突に死ぬんだよね。なんていうか…あざとい時代劇ですなあ。
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