武装錬金 最終回感想
武装錬金、終わってしまいましたね。
ワークワークも終わりそうだし、かつて低迷期のジャンプでヒットを飛ばした和月・藤崎両氏の次々作が同時に終了するってのがなんか寂しい。
切ないなと思うのは、いかに最近天才型が多いとはいえ「努力・友情・勝利」を元来テーマに掲げているはずの週刊少年ジャンプというのは、実は才能ひとつの世界なのですよね。少年漫画を描こう!とあんな必死で努力してる和月先生の連載は中途半端な結末を見せるというのが、切ないといえばとても切ない…
7巻のライナーノーツ切なさ全開。美形が描けない描けないと、もはやそれは心の叫びっぽい。ちょっとあれを見ると、読者の声を気にしすぎて自分に本来備わっているものと、やりたいことと、こっちは頼まれてもやるもんか!というのがぐちゃぐちゃになっているよーに思います。
確かに和月先生はジャンプっぽくなくなったかもしれないけど、根っこにある面白いものが決して消えたわけではないと思う。というか、無理に「少年漫画!」とか言わないほうがいいと思うんだけどなあ。もっとダークなものの方が面白いと思うんだけどなあ。
ワークワークについては「ゲームでやるなら面白いだろうけど、登場人物に感情移入しづらくて漫画としては入れ込みづらい」とゆー感じなので、正直終わっちゃってもしょうがないだろーなーと思っているのですが。
武装錬金は申し訳ないけど、再殺編以降正直あまり面白くなかった。和月先生はるろ剣のころから雑魚は雑魚って扱いで、一番ひどかったのが縁との再戦で島に上陸した際の四星戦ではないかと。いやあ、あれは激しくどうでもいいバトルでした。敵の、敵なりの理屈もない、描き込みもなし、やられるために出てきたキャラ。しかしるろ剣はあの頃ほとんどラス前、こういうのもあるかなーという感じだったので別によかったんですが、再殺編のVS犬飼及び丸山バトル以降は、四星戦ほどひどくはないけど、和月先生の悪いところが出てしまったというか…こんなの勝って当たり前の展開だけど2ページでやっつけたら敵の立場がない。でも勝って当たり前。勝って当たり前のバトルで、敵もただただの敵として登場するだけだから、なんっていうかドラマ的には激しく薄味。それでも飛び出たインパクトが「トキコさんミニチュア化」というのはなんか…
正直、そこまでなんでもありにしちゃ広がりすぎでしょーと思いました。
というわけで再殺編のバトルバトル連投展開は正直つまんなかったと思うのですが、これって人気のない展開をバトルバトルで盛り返そうとしたのかなあ?ちょうどワークワークがVSドレクセルに入ったのと、錬金でトキコさんがミニチュア化したのは同じくらいの時期なんですよね。その前が不評で、なんか方向転換したのかな。結局、どちらも実らなかったように思いますが。ちょっと寂しいですね。
さて、最終回本編を見るに「オレがみんなを守るから誰かオレを守ってくれ」ですけど、この台詞が出るに十分な流れとはとても言えなかったように思うので、もったいないなあ。とゆーのも再殺編以降のカズキの感情の振り幅というのは、よくわかんなかったのです。ぶっちゃけた話をしますと、カズキは理不尽にも殺される運命を背負ってしまったわりには物分りがよすぎるんじゃないかと思っていました。
自分を殺そうとしている人たちのことを評して「また一緒に戦えるよ」みたいなのは、はっきり言って「そんなわけないじゃん」と斜に構えていましたので、再殺編以降の悟りきったようなカズキが今週の「オレがみんなを守るから」につながるなら、本当はどういう形だったんだろう?と、非常にもったいない気分になりました。こういうカズキの弱さは、もっと早く見たかったなあ。
全体的に見るとカズキは「イイ子」すぎたように思います。あれは和月先生理想の少年漫画の主人公だった、のかもしれない。正しく、まっすぐで、正義感にあふれ、自分が傷つくことを恐れず…だけど、実は、「それしかなかった」と思うのです。目立った欠点がなく、結局生身の人間らしさが希薄だった。キャラクターって、ただ理想像なだけじゃなくて、駄目なところがあってこその魅力じゃないのかな?
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