モンキーターン最終巻(30巻)加筆について(前)
波多野「ゴメン!オレは澄の待ってる丘の上へ、もどらなくちゃいけない」
青島「………」
波多野「ゴメンよ、青島…オマエに幸せになってもらいたかった。だけどオレには、それが、できなかった…」
青島「ううん、いいのよ。波多野くん。こうなることは覚悟していた。…波多野くん、ひとつだけ聞いておきたいの…私のこと好きって言ってくれたのは…私が父を早く亡くして、苦労していたから?」
サンデー連載版では上のよーな台詞でした。
思いっきりコミックスでは増えていますねえ。すごいよ波多野がマジで謝ってるよ!(なんだと思ってるんだか)
つーかその前にTURN374のタイトルが変更になってます。「全部、オレが悪いんです。」⇒「全日本選手権(ダービー)が終わったら…」
波多野がこのとき澄の母親にこう言って謝ったのがタイトルの元台詞でしたよね?(すいません、サンデー手元にないんで書き出せない)
澄母への「全部オレが悪いんです」が、当事者青島への「ぜんぶ、オレが悪いんだ」になったわけですな。コミックス加筆の波多野の台詞「おまえにも澄にもいい顔しようとして、結局、二人とも傷つけることになってしまった。ぜんぶ、オレが悪いんだ」
すごいなあ。連載のときこんなに謙虚な波多野くんがいたでしょーか。いや、ない(ベタに反語)最初からこう言っていたら、違ったんじゃないかな、印象が。
半端な気持ちで勢いで応えちゃったことが相手を余計傷つけた。波多野はそのことを心底悪いと思っていて、相手にちゃんと詫びている。そう、波多野が「全部俺が悪い」と言うべき相手は、なんたって澄と青島です。まあ、澄に「全部俺が悪い」というのは、別に最初からそのとおりっちゃそうなので(だって澄側にはとりたてて理由はないし)、青島に言うところなのかも。
澄母のときは、条件が違いますからね。波多野は澄を振ったと思われていた。澄にも読者にも。それで話すことがないから合わないのはまあしょーがない。それまでがTURN374の前提条件。でもその回で波多野は澄の母親に向かって、結局、まだ迷ってるから決めたらまた来ます、とのたまったわけです。ちょっと待てお前振ったわけじゃなかったのか!迷ってるからまた来ますって、澄の気持ちとか考えてます?それでなにが全部悪いだ!なんにも悪いと思ってないだろもしかして?!だいたいソルヴェークが可哀想って澄をそこにひっかけて何様だおまえは?!
…と、そのように当時はヒートアップしたわけですが。波多野のやってることは連載版と変わらないんですけど。でも違うのは、読んでる側の情報量かもしれません。一度に読む情報量が少ない連載版は、前の話と今回の話をつなげてああでもないこうでもないと考えちゃったりする。次の話を読むまでにまた、次以降はこうじゃないかと思い悩んだりする。同じ話を何度も見て次の話を予想すると、やおら細部にこだわりがちになり、いちいち細かいところでここが駄目あそこの表情が気に食わない、と思ってしまう。
そーゆー作用があるかもしれません。
うーん、でもタイトルごと変えて(次も違うし、そういう意味ではタイトルは変わるけど)「全部、オレが悪いんです。」を言う相手をちゃんと当事者にした、というのは、波多野の変化の表れかもしれないと思いました。
ちゃんと青島に向き合って別れようとしている。
まあそれでも波多野の行動は相手に対してタイムラグがありすぎるんですけどね。
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