「徳川綱吉 イヌと呼ばれた男」(あらすじ)
「徳川綱吉 イヌと呼ばれた男」を見ました。斬新でした…すごいよお忍びでどこへでも行く綱吉!マツケン暴れん坊将軍を越えるかもしんない。
一番面白かったのは癇癪持ちで普段からキレっぷりを見せつけ、やっぱり最後にブチ切れて下さった浅野のお殿様。普通忠臣蔵だと、いちおう「このお殿さまのために討ち入りするんだよー」という設定のためか、浅野内匠頭は普段はかっこいいお殿さまになっているわけですが、今回の陣内演じる内匠頭は、ナチュラルに超癇癪持ちでした。素晴らしい。あんな内匠頭はなかなかいません。こんな内匠頭を連続ドラマでやったら、「何故あんなののために仇討ち?アホっぽい…」となってしまいます。
でも内匠頭は本当のところどうやら突然キレたんじゃないか?と言われているらしいので、なかなかいいんじゃないかと思いました。高橋英樹が「本当は殿が嫌いだった」と正直に言っているのが面白かったです。そりゃー、あれじゃイヤになるかなあ。吉良殿に二度めの饗応役指南を受けるとき、もーーブチ切れでしたから内匠頭。
名君綱吉、というよりは端的に「いいひと。」風味の時代劇がまずありきって感じでした。多分上様のアタマの中では自己完結してるんだろうけど、側用人柳沢吉保にすら理解できない綱吉の思考ルーチン。まわりが誰もついていけないお殿様っていうのはやっぱり名君とは言えない気がします。
このドラマにおける生類憐れみの令のなりたち:
真夜中に側室と馬に二人乗りして城を出てお忍び→刀の切れ味を確かめるため斬り殺されたらしいイヌがそこかしこにいますよ、びっくり→上様は江戸の実情にショックを受ける、イヌを大事にしようと言い出す→イヌを大事にして、慈悲の心を持って貰いたい
ということらしいのですが。
これより前に、捨て子を役人が面倒みましょう、とかも言ってるんですな。そっちも全部ひっくるめて「生類憐れみの令」のはずなのですが、しかし捨て子云々は悪の老中堀田様(大老だった気がするが劇中老中と言ってた気もするけど曖昧)が無視。おいおい無視かよ!そっちも採用してやれよ堀田様@西村雅彦!
当初綱吉はまともな法案を考えているのですが、堀田様は「将軍など都合のいい飾り物」とばかりに綱吉案を全て無視。綱吉は、夜中に江戸をお忍び視察して、自分が傀儡だったことを知り、館林に帰ろうとする。だが柳沢吉保の必死の説得で将軍の座にとどまり、ここで生類憐れみの令を公布。犬を大事にすることで慈悲の心を養う~という政策を打ち出す。
その後、自分の意志を通す将軍が邪魔になった堀田様は綱吉の息子を毒殺。(※綱吉に引いて貰っても、幼少の跡継ぎ将軍の後見役には綱吉腹心の柳沢吉保が座りそうだからという理由で先に息子を殺しておく)
堀田様他皆様が江戸城の一室で「綱吉の息子が死んでくれてめでたいですなあ」とか密談しているところに稲葉正休@綱吉シンパが通りがかり、「貴様等なんてことをー!」とその場で稲葉正休抜刀、堀田様を斬り殺す。
なにより命を大事に考える綱吉は、稲葉の行為を「自分はそんなことを望んでいない」と悲しむのだった。
さて、綱吉法案の犬を大事にしようキャンペーンは民衆に理解されず、将軍はバカじゃないか?と思われてしまう。柳沢吉保も、綱吉の思考回路についていけない。どんどんエスカレートする生類憐れみの令。
ところでいっぽう、元禄の世に大事件が起る。浅野内匠頭の刃傷沙汰、そして赤穂浪士討ち入りの噂。切腹→仇討ちでは、復讐の連鎖になるではないか。綱吉は極秘に大石内蔵助を訪ね、討ち入りを止めるように言う。
しかし大石は綱吉の言を聞き届けない。そして討ち入り当日。折しも柳沢家では吉保の子供が産まれ、綱吉は柳沢家を訪ねる。命の誕生の瞬間。しかし同じ江戸の街で、赤穂浪士による吉良邸討ち入りがいままさに行われている。斬り捨てられていく命。
その後、綱吉は柳沢とふたりで討ち入りの現場(吉良邸)を訪ねる。無残な死体を見て、これが武士の死に方なのか、と綱吉は嘆き、怒る。
綱吉は、赤穂浪士たちを全て切腹させる。復讐の連鎖を断ち切るために。
やがて病に倒れた綱吉は、柳沢吉保に問う。犬を助け、赤穂浪士を切腹させた自分は後世なんと言われるだろうと…柳沢吉保は答えた。上様は阿呆と言われることでございましょう。綱吉は病の床、吉保の言葉を受け入れる。
綱吉の死後、柳沢吉保は失脚した。生類憐れみの令は撤廃され、忠臣蔵の芝居がかかり、綱吉の残したものなどないかに思われた。
だが吉保は見つけたのだ。綱吉が残していったものを。市井の親子が、犬を可愛がっているその姿を。
吉保は懐かしい故郷の館林に帰り、そこでふたたび綱吉に会ったような気がした…
以上、あらすじ。
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