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「La Esperanza」(1)


花組「La Esperanza」ですが。

偶然主人公とヒロインは知り合い、仲良くなり、ふたりは「こんな偶然が起るなんて」と驚きます。ふたりとも大きな夢があって、たまたま近い時期に夢にチャレンジするコンテストがある。だけどふたりとも自分ではない力が働いてしまった故にコンテストの挑戦権を失い挫折する。そしてふたりは夢をあきらめ再出発する。けど夢は消えたわけではなくて、どうしてだかチャンスやきっかけはそこにあって、ふたりとも結局夢をつかむ。

ふたりは絶望せず、頑張っていれば大丈夫と構えていて、そしてその通り夢を掴んでしまう。

という超御都合主義で笑止千万なストーリーでした。

なんか、かったるいなー。夢なんて叶う方が珍しいんだから、二人揃って挫折するなんて偶然でもなんでもないよ。二人揃って夢が叶う方がおかしいよ。そもそも二人出会ったのがどんな偶然?たまたまクラブで出会ってダンスのお相手をしただけでしょうが。
偶然でもなんでもないことを、台詞だけで「偶然」と語りまくり、「こんな偶然が起るなんて」と言い立てるから、物語がすごく空疎なものに映る。大筋のストーリーだけあって、ストーリーを肉付けするディテールが殆ど書かれていないから物語に厚みがない。
たまたま主人公の兄貴がギャングで、主人公がコンテストを受験する直前に敵対する組織に追われていて、相手がいきなり銃を付きだし発砲。
そこに偶然居合わせた(もちろん主人公を追ってきたんだけど)主人公のダンスの相手役の女の子が巻き込まれて撃たれてしまう。

で、この場面が終わったあとではじめて警察から「あなたのお兄さんはギャングの敵対組織に追われていたんですよ」と説明して貰う。

ははー、そいつは奇跡のような偶然もあったもんですな。はは。そいつは偶然だ、たしかに。とか、さめきった目で見てしまいました。

えっと、話のプロットがこれじゃいかん!って思うわけではないのです。言ってしまうと、宝塚というのはこういう世界です。それでいいんですよ、勿論。でもね、だったらそれらしく作ってくれればいいじゃないですか。いきなり訳のわからないギャングなんてうすっぺらい設定をつける前に、いちおう「お前の兄さんには悪い噂が」とか言っておくとかさ。
うすっぺらい設定と言えば「プロとして通用するタンゴダンサー」(主人公)と「才能ある画家」(ヒロイン)と「ハリウッドを引退した監督」(語り手)っていう、どれかひとつにしておいてくれればいいものを大袈裟な設定を三つも持ってくるっていうのが、この話の描写の厚みのなさを一層際立たせてくれたっていうか。まー設定はどっかで適当に持ってきたようなんだよなあ。

ヒロインは画家の才能をねたまれ師匠の家を追い出されるんだけど、遊園地で壁に好き勝手絵を描いてしまって認められるのですよ。それはとてもいい設定だと思う。でも、だからこそ、「最近あの遊園地イイって評判なんだぜ、行ってみろよ」とか言われて主人公が遊園地に行ってみたらなんとびっくりヒロインに再会、くらいのベタさで押し切ってくれるとか、そーいうなんかしら「描写」が欲しかったお話でした。

あなたは才能あるタンゴダンサー。
あなたは才能ある画家。
あなたはハリウッドを出ていってしまった監督。

設定だけ、台詞だけなんだよなあ。
いや、そもそも狂言回しな監督自体がいらないんじゃないの?っていう意味のない解説ぶりなのだが。実在の人物でも歴史物でもミュージカルでもないのにいきなり狂言回されても「で、この人たちいったいなに?ってゆーか役が余ったから狂言回しにしたとでも?」とか思っちゃいますがな(すげーいいよう)

むかしの正塚先生の話ってもっとなんかありませんでした?
なんかもっと、『いいトシなんだからいいかげん大人になりなさいよな若者の煮詰まりっぷりと、でも若いっていいよね勢いが持ち味で』@ハードボイルド・エッグとか例えばそういうのが芝居の細かいディテールで表現されていなかった?
雪組ロマンス・ド・パリもテープ流してクラブの中でお気軽に革命やってて真実味が欠片もなかったけど、さらっと流すのも美しいけどもうちょっと「お芝居のあらすじ+ダンスシーン」だけじゃなくて、シーンとシーンをつないでなんとかならんものなのでしょーか。

と、文句たらたら。
でも芝居感想、まだ続く。

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