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ちょっと途中総括>モンキーターン恋愛モード
えっと、基本的に恋愛モードに入ってからこっち、「どっちに転ぶのか」見せないような演出をしているわけですよね、この漫画。思えば最初から「河合克敏なんだから元鞘に決まってるじゃん!」と思えますが、まあ、それにしても随分引っ張ったものです。どっちかというと、青島に行くのか?という方向に誤解させたわけですが、(そして澄路線が復活する)どっちに行くかわからない、という描き方が無理を呼んだような気もしなくはありません。
「どっちとも取れる」最大のポイントは多分、波多野が青島と福岡で会って、その回で波多野が澄に「青島を好きになった」というところでしょう、と個人的には思います。あの回、波多野と青島の会話は「東京に帰って、それで」で切れていた。
1.東京に帰って、それで澄と別れて正式に青島と付き合う
普通に考えるとそう来るの?と思わせておいて、いやいやそんなに簡単にはいかんでしょーと逆に考えると、
2.東京に帰って澄に本当のことを話す
…だけ、となりますわな。で、今にして思えば本当にそのとおりだったわけです。その回波多野は、泣いて二階に上がる澄にさらになにか言いたげだった。え、でも何言うの?とは思ったんですけどね。だって、他に好きな女がいるって言って、さらに何を言うかっていったら、二股を公認してくれと言うか、もうちょっと待ってくれというかどっちかではないですか。いくらなんでも二股を公認してくれと言う人はいないでしょうから(笑)後者だったわけです。波多野はその後澄の母親に向かって「もうちょっと待ってくれ」と言っている。ダービー後に決着をつけると言った波多野の発言で、つまり波多野は青島のために澄と別れることにしたんじゃないって判明したわけです。
そしてこの間、というか福岡で波多野と青島が別れてからこっち、青島はぜんぜん描写されない。
この展開、いったん青島に行くか?と見せかけるミスリードという点ではうまくいった、のかもしれませんが、結果としては、波多野の人格を著しく劣化させたよーな気がするんですよね。
だって波多野の行動は、青島が好きだから澄と別れることにした人のそれでしょう。幼なじみの彼女がいて、でも他に好きな子が出来ちゃったから仕方なく本当のことを言って彼女を振った、というなら、それはそれで仕方ないと思います。波多野が本当にそうしたかったんだったら、それはもうどうしようもないと思う。
でも波多野は(言い方悪いけど)澄を切ったつもりはなかったわけです。だけど「青島に行く」と見せかける展開のために、波多野はいったん、澄を切ったかに見せるような態度を取った。
でも澄はもう波多野にフラれたつもりだったわけです。で、波多野はなーんのフォローもしていない模様。それをあとになって戻ってきても、なにそれって思うでしょう?波多野の行動は、完全に彼女を振った行動です。あれで、あとで戻るつもりも十分あるって、そりゃおかしいですよ。
今まで延々波多野の悪口を言っておいて今更なんですが『波多野が澄に本当のことを言ってしまった』イベントって、描いてるヒトが「波多野は青島に傾くと当初見せかける」という展開に見せかけるために作ったものだと思うんですね。
というわけで作者さんとしては、今週号になって波多野が澄に本当のことを言った理由を回想で語っている。澄なら知りたいだろう、俺なら知りたいと思うから。ということで。まあこんな独善的な話もないですが(苦笑)
こういう稚拙な方法でミスリードを試みた結果、波多野さいってー、という話になってしまったわけです。そう思います。このおかしな展開で波多野の行動に整合性を考えると、「波多野は二股の後ろめたさに黙っていられなくて澄に本当のことを言ったようにしか見えないのに、澄のために本当のことを言うという自己中な人間。結果泣いてショックを受けた澄になんのフォローもせずにいるあたり最悪」ということになってしまった、と思うわけです。
いやあ、波多野可哀想だなあ(それが今週いっぱいまで最悪自分酔いとか言ってた人間の台詞かよって自己ツッコミ)つーわけで河合せんせい、この展開はいくらなんでも波多野の株を暴落させただけではないかと!でも青島も都合良すぎますぜ。そして洞口の扱いもあんまりです。だって洞口の挑発も、結局波多野に(自分に都合イイ方向で)反省させるイベントを作ったってだけなんだもん、そしてそのイベントを作るために、澄が洞口に青島の一件をチクるという「はあ?」なイベントまで起こしてるんだもん。なんですかそれは…この世は波多野憲二のために廻っているとでも?とゆーか。
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